<まえがき>
「見ているだけで覚えてしまうような入門書をつくってみたいね」
「これ以上わかりやすい入門書はない、という本をね」
「入門書の入門書だね。」
などと、ムシのいい会話から生まれたのがこの本です。
1年間の日々の作業を、マンガと図解で記録しました。できてみると、あながち間違っていなかったと実感しています。
本書では、ストレスから体調をくずした夫(パパ)が、妻(ママ)の趣味のミニ盆栽に目を向けるようになり、初心者の疑問を率直に妻に聞き、ベテランの妻がそれに答えます。すでにミニ盆栽を手がけている子供たちも応援する、という設定になっています。このミニ盆栽家族の1年をマンガにしました。
これからミニ盆栽をはじめる人にもすぐわかるように工夫しました。いつでも、どこから見ても、今この時期、どんな作業管理が必要かわかるようになっています。花もの、実ものは開花から結実まで、私の盆栽棚の木から正確な日付けで記録しました。実ものは春の開花から夏を経て秋の結実、観賞、そして、たねのとりまきにいたるまで詳細に描きとめました。1年を通してこういう作業、管理をすれば木が健全に育つことを見ていただきたいと思います。
マンガのふきだし文字は手描きで絵と一体化させました。読みづらい面もあるかも知れませんが、ふきだしも表現のひとつと考えたからです。
また、マンガの中で説明しきれない用語は※印を付け、巻末に解説しました。
著者が初めてミニ盆栽を手にした時、手の上にちょこんとのってゆるやかに斜上したその姿は、自分を主張しているようにも見え、それはガーデニングの鉢植えとは明らかに異なるものでした。つりあいのとれた鉢との調和にも目を見張りました。初めて根を切った時、切り口から血が出るのではないかと思ったほど緊張したのを覚えています。鉢植えにはない、いろいろな手入れが必要になりますが、手間をかける分、木がそれに応えてくれます。変化していく木の姿や、年を経るごとに風格が出てくるのを眺めるのはとても楽しいものです。
この小さくて大きな楽しみをぜひ多くの方々に味わっていただきたいと願っています。
2006年年1月
群境介